MTさんの「チャリ工房」


↓ MTさん本人の記事です。


▼チャリ工房のあくなき探究心その1“エアサス”の改造編▼

2004年9月に新品購入したサスフォーク「マルゾッキMX Comp AIR

クロカンモデルだし、値段も安いので性能的にはこんなもんか、っちゅうとこですが、用途を特定すればもっと空気バネのおいしいところを引き出せるのではないかという疑問に挑戦してみたのでご報告いたします。

まず、空気バネ、つまりエアサスの特徴について。

ご存知のとおり、金属バネに比較して軽量に仕上げることができ、設定を細かく無限に調整可能です。
また、押される力(ストローク量)に対して比例的に反力を発生する金属バネ(等長巻きの時)と異なり、押し始めが柔らかく、終わりに大きな反力(ネバリ)を発生する特性をもっています。
これらはある意味サスペンションに求められる理想的な特性でもあります。

ゆえに高級自動車には緻密に制御されたエアサスがしばしば使用されていようです。

ところで、MTBのフォークという限られた空間におけるエアサスではストロークで発生する圧縮空気量は僅かであり、また底突きしないよう考慮しながら動作初期には弱い反力を、動作末期には強い反力を段差無く滑らかに発生させる設計がなされていると思われますが、おそらく限界があるでしょう。

逆に言えば、全域に亘り要求どおりの反力を発生させることは、相当複雑なバルブ構成を設計するか、アクチュエータによる制御を行うしかないと思います。

そこで、動作環境を限定して簡単な仕組みでおいしいところを引き出せないか実験をしてみたくなりました。

で、今回のチャレンジ!!

“ぐらこん”はどちらかというと激坂下りなしのクロカン用のつもり(あんまし軽くないけど・・・(-_-;))なので、「軽い突き上げ〜木の根ボコボコ」程度において快適な乗り心地を実現し、とはいえ多少の下り時に底突きしない仕組みを考慮した改造をしてみます。

・・・・・(中略)・・・・・

いろいろあって、めちゃくちゃ疲れたけど、できました!



■構成と機能
改造前
 ・黄色部分の空気の体積が変化してバネ作用をする。
改造後
(1)デコボコフラットシーン用(手動弁:開)
 ・黄色と青とピンク部分の体積に対し、黄色
  部分の空気体積変化量を受け止めるため、
  内圧変化が少ない。
 ⇒柔らかいバネ状況が長く続く。(ストローク
  量に対するバネ反力が小さい)
 ※有利点:ソフトな衝撃吸収。
 ※不利点:大きな入力時にはストローク量を
  使い切り、底突きしてしまう。(急ブレーキ
  時や下り時は危険!)
(2)通常使用、下りシーン用(手動弁:閉)
 ・黄色と青部分の体積に対し、黄色部分の空
  気体積変化量を受け止めるため、内圧変化
  がやや多い。(改造前よりは多い)
 ⇒改造前のノーマル状態に近い。
 ※有利点:セッティングにもよるが、ノーマル
  に近い使用感。底突き防げる?
 ※不利点:結局重いだけでノーマルと性能差ほとんどなし。(強度下がっている?)
(3)中途半端な位置に弁を設定
 ・今後、実験!?


・・・・
ほんでもって、走ってみました!!

(1)手動弁「開」のとき
 よいところ:木の根や10センチ程度までの障害物にどん!とぶつけても柔らかくスト
       ロークし、とってもしなやかにクリア!ただし、リアサスのリバウンドスピー
       ドが速すぎるため、座っているとお尻が跳ね上げられるかんじになる。
 わるいとこ:ちょっと強くブレーキをかけると底突きしてしまう。 ひどいボビング発
       生・・・。

(2)手動弁「閉」のとき
 よいところ:ノーマル状態よりちょっとマイルド。底突きはなんとかなさそう。
 わるいとこ:強度低下、重量増加・・・。
       横倒しするとフォークオイルが上がってしまい、戻しても左右のオイル量が
       不均等になってしまう。

・・・・とまあ、こんな結果でした。

この実験にかかった費用を記述します。
・所有していたものと廃品利用は除き、4,737円
・購入したけど失敗したりで使用しなかったもの、1,732円
・買物にかかった時間と交通費、作業手間、priceless・・・。

・・・・・・・。

いいんです、チャリ工房ばんざーい!!!

今後はブレーキに連動するバルブか、底突き対策を検討し、真の実用化を目指します。
リアサスもいじれたらなあ・・・改造しようがないんだよなあ、ちっこすぎて・・・。
でもいつか、フロントリア連動サスを開発しやっぞ、はっ、やっぞ!!

▲チャリ工房のあくなき探究心その1“エアサス”の改造編▲               〜おわり〜








■ おまけ
↓先日、MTさん、TKさんと俺の3人で、サオラ峠に行ってきた時の写真。

リザーバータンクは、サイダー缶では容量が大きすぎたらしく
“うこんの力”にマイナーチェンジされ下向き位置になってました

非常に残念なのは、“うこんの力”のラベル側が正面に来ていなかったことです・・・













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